憂うつな気分も人間関係も変わる
憂うつな気分も人間関係も変わる
どうしてイライラが続くのか?それは自分が感じているストレスを言語化していないからです。言葉にするだけで、気持ちの整理がついて、心が楽になります。カウンセリングはそれを聴くプロが受容的に聴いて、味方になってくれます。この受容体験が心を健全に保ってくれます。
イライラしているとき、特に相手が明確な場合はその人のことばかりを考えて、「あの時あー言えばよかった」とか「なんで自分ばっかりが・・・」と相手の顔とそれに対する不満ばかりが思いをよぎります。これが繰り返されて怒りが増幅することもあります。大事なのは「自分がどう感じたのか?」をさぐることです。そこに在る気持ちはどう表現できるだろうかを考えてみます。
ネガティブな感情を表現することは良くない、と思っている人がおおいです。確かに、自分が感じていることをそのまま相手にぶつけるとトラブルになります。しかし、自分がどう感じたかを言葉にして表現すること自体は悪いことではありません。これをやらないことでストレスが蓄積して、いつしか適応障害になったり、うつを発症したりします。この状態になると、回復に時間を要します。自分の感情をさぐって定期的に吐き出しておくことはメンタルヘルス上とても大切なことです。
ネガティブな気持ちはどれも言葉にすることすらはばかられます。『親といるとなぜか苦しい』の著者であるリンジー・C・ギブソンによると表現しにくいのが、「怖い」と「嫌い」の二つの感情だそうです。特に後者の「嫌い」はなかなか言えません。それは「みんな仲良くするように」と教育されてきたからかもしれませんし、自分がいい人でありたいという願望もあるかもしれません。ここの壁を取っ払って「あいつのことは嫌いだ」とか「あいつには二度と会いたくない」と言葉にしてみるとよいです。不思議なことに「嫌い」と線を引くことで、人間関係を考え直すことができるようになります。「嫌い」と線を引かないうちは、相手の顔色を窺おう、とか、相手のいいところを見ようとか、無理に感謝しようとかしますが、それは本心ではありません。だから疲れてしまうのです。嫌いと線を引くと、相手へのご機嫌伺いをやめます。特に職場の場合は、業務が遂行できればよく、その人との中の良さは二の次でよいのです。「嫌い」という感情を言語化すると、ストレスはかなり減ります。そしてその人との関わり方を見直すきっかけにもなります。
大久保智弘(ビジョナリーキャリアアカデミー代表)
1980年 長崎県長崎市生まれ、長崎市育ち
2007年3月 関西学院大学大学院社会学研究科修了 社会調査論を専攻
2007年4月 学校法人瀧川学園滝川第二中学高等学校に勤務
2013年4月 トータル・カウンセリング・スクールにセミナー講師として勤務、同年、山形県立置賜農業高等学校、小国高等学校のスクールカウンセラーを兼任
2018年10月 横浜市青葉区にビジョナリーキャリアアカデミーを開講