いつも同じパターンで怒るあなたへ

実は怒りの出所は同じ

上司に「あなたの仕事は楽そうだね」と言われた。付き合っている彼に悩みを打ち明けると「そんなの大したことないよ」と言われる。親からは「お前は楽をしている」と言われる。そのすべてに腹が立つ、という相談がありました。怒る相手は別です。これを個別に対処しても意味がありません。大事なのは共通点を見つけることです。この場合考えられるのは「上から目線」の対応だったり、「楽そう」とか「大したことない」と自分自身が軽んじられるような言葉がけだったりします。こういう怒りの中にある要素を見つけてそれがどこから出てくるのかを見いだしていきます。別の人は冷たい対応に怒りを感じるし、逆に構われすぎることにいら立ちを覚えるという方もいます。場合によっては「上から目線も、変に持ち上げられるのも、かまわれすぎも冷たい対応も全部腹が立つ」という方もいらっしゃいます。いずれにしろ、怒りの根っこにあるものをとらえていくことが必要です。

自分が怒るルールをさぐる

怒りの根っこにあるのは怒るルールです。これは怒りに限らず、不安になるとか、怖いといった別の感情でも、そう感じるシチュエーションや条件があります。怒りの場合そのルールは、自分の生命が侵される時に起きやすいです。私の場合は、食べ物がないという場合に強く怒りを感じます。また、仲間外れのような状態、疎外感にたいして不安が強いです。このルールが分かると、そういう状況を避けることができますし、仮に怒りや不安を感じる条件が整ったとしても注意することが大事です。自分のルールを知ることだけでもアンガーマネジメント、感情コントロールができるようになります。

ルールをさぐるための3つのプロセス

ルールをさぐるために必要なことは次の3つです。「怒り」を例に見ていきます。

1つ目が、自分が怒りをを感じる状況を把握することです。誰にたいして怒るというよりも「何にたいして」怒るかです。特定の誰かにいつも怒りを感じる場合はその人のどんなところに怒りを感じるかを明確にします。

2つ目は過去の状況と照らし合わせることです。怒りのルールは家庭環境、養育環境のなかで創られていることがほとんどです。その中でどんなことがあったか、何にたいして怒っていたかを探る必要があります。

3つ目は言語化することです。1と2で整理したことを言葉にします。誰かに話を聴いてもらうのが効果的ですが、紙に書き出しても良いです。すると必ず気づけるパターンがあります。そしてその気づいたパターンに名前を付けます。

(この3つの過程をあアンガーマネジメントのプログラムでは丁寧にやっています)

怒りのパターンをみつけたら

怒りのパターンを見つけたら、そのパターンを変えていきます。おそらく多くの場合は幼少期の家庭環境、養育環境を生き抜くためにつくられたものであり、大人になってからその状況に出くわすことは稀です。不要になったルールなので、書き換える、捨てる、ということができます。

同じパターンで怒る人はこの古いルールに縛られ続けている状態といえます。家庭と社会は違う、その上子どもと大人でも違う(子どもなら許されるが大人は許されない、表出し辛い状況)のに、家庭の中のルールで社会になっても行動するから人間関係にトラブルが起きやすいのです。ぜひご自身のパターンを見いだすだけでも、かなりトラブルを回避することが出来ます。お問い合わせいただければいつでもお手伝いいたします。

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ABOUT US

大久保智弘(ビジョナリーキャリアアカデミー代表)

1980   長崎県長崎市生まれ、長崎市育ち
20073           関西学院大学大学院社会学研究科修了 社会調査論を専攻
20074           学校法人瀧川学園滝川第二中学高等学校に勤務
20134           トータル・カウンセリング・スクールにセミナー講師として勤務、同年、山形県立置賜農業高等学校、小国高等学校のスクールカウンセラーを兼任

201810         横浜市青葉区にビジョナリーキャリアアカデミーを開講