憂うつな気分も人間関係も変わる
憂うつな気分も人間関係も変わる
疲労感: 眠りが浅くなったり、十分な休息が取れないまま起きていることが増え、疲れや倦怠感を感じることがある。
イライラや不安: 小さなことにイライラしたり、不安や焦燥感を感じることが増えることがある。
集中力の低下: 仕事や学業、日常生活において、集中力が低下し、思考がまとまりにくいと感じることがある。
体調の変化: 頭痛や胃の不調、体のだるさなど、身体的な不快感や症状が現れることがある。
この1~5は俗にいう「五月病」に見られる兆候です。新しい学期や新年度が始まる5月に、突然のストレスや不安を感じる症状を指します。この状態は、学生や社会人を問わず、特に新しい環境に適応しなければならない人々に影響を与えることがよくあります。名称は「五月病」ですが、9月や1月にも見られますし、時期を問わず、部署異動や転職など恵新しい環境に身を置いてしばらくしたら、年中起こってくる可能性があります。
上に挙げた5つの兆候は、心や体が出している黄色信号です。ちょっとしんどいなと思いつつも、体も動けるので、無理をして動いてしまいます。特に若い人は、「これくらいで休むわけにはいかない」と思い、仕事を休むことはしませんし、休日も「せっかくの休日なので、遊びに行こう」と休むことを後回しにしてしまいます。必要なのは「静養」することです。ストレスを感じたら、「気分転換」と言って、遊びに出かけますが、それは体力的に疲れますし、誰かと一緒に行けば気も遣います。一人静かに過ごせる時間を1日取るだけでかなり回復します。黄色信号のうちに休んでおけば、5つのしんどい兆候は割とすぐに過ぎ去ってくれます。問題なのは、無理をして動き続けた場合です。
「これくらい大丈夫だろう」という思いや「自分は五月病なんかにはならない」といった思いは、心や体からの黄色信号を無視することになります。これを放っておくと疲労は蓄積していき、些細なミスが増えたり、作業効率が落ちたりします。さらに、ちょっとしたストレスにも弱くなってしまい、出社することが難しくなることも出てきます。
自分は元気でも、もし周りに、「ちょっと疲れているな」とか「なんだか顔色が悪いな」という人がいたら、優しく声をかけて差し上げてください。五月病にかぎらず、心の病になる人の多くは真面目な人がおおく「すべき」という使命感が人一倍強いです。だからこそ、「休んでいい」という、思いを少しでも持ってもらう必要があります。
大久保智弘(ビジョナリーキャリアアカデミー代表)
1980年 長崎県長崎市生まれ、長崎市育ち
2007年3月 関西学院大学大学院社会学研究科修了 社会調査論を専攻
2007年4月 学校法人瀧川学園滝川第二中学高等学校に勤務
2013年4月 トータル・カウンセリング・スクールにセミナー講師として勤務、同年、山形県立置賜農業高等学校、小国高等学校のスクールカウンセラーを兼任
2018年10月 横浜市青葉区にビジョナリーキャリアアカデミーを開講