怒りの言葉が
人間関係を壊す
「怒り」という感情は扱いが難しいです。意識で抑えようと思ってもなかなかそれはできません。かりに、怒りの言葉を相手に伝えなくても、雰囲気で「この人は怒っているな」と周りには怒りが伝わってしまいます。
怒りに任せて言葉を吐いてしまうと、言葉を受け取った相手との関係はこわれてしまいます。これが同じ職場やチーム内で起きるとその後の修復が厄介です。
怒りが組織にもたらす
負の遺産
その上、怒りの言葉は、それを受け取った本人だけが影響されるものではありません。その周囲にも重い空気をもたらします。私はその空気のことを「緊張」と呼びます。この緊張はそう簡単になくなりません。一度生まれた緊張はしばらくその場にとどまります。少なくとも、怒りを言葉にした本人がその場にいる以上、緊張は毎回のようにもたらされます。
緊張がもたらす
関係性の変容
組織の中に緊張があるとコミュニケーションがゆがみます
・人の顔色をうかがうようになる―これ以上の緊張感はご免だということで「もう怒らないでください」ということで話しあいがうまくできなくなります。
・隠れたコミュニケーションが生まれる―「あの人に言うと怒るからこっちで決めてしまいましょう」「事後報告でいいよね」といった緊張感を避けたところでのコミュニケーションが生まれてしまうのです。ここまでくると組織として亀裂が入ってしまうことになります。
・建設的な議論ができなくなるー正しい意見を言うことが難しくなります。人に相談したり、組織のみんなで合意を得たりという機会がなくなります。ここまでくると組織が停滞して今います。
・イエスマンだけが残るー顔色をうかがい、波風立てないで動ける人だけが残ります。衝突を避け、言いたいことが言えないまま人が去っていきます。
ワンマン経営におちいがち
組織にとってもっとも厄介なのがリーダーの怒りです。権限も強い、会社の場合は雇用してくれている存在だから、気に入ってもらえないとクビ、または配置転換等でリストラされるという怖さがあります。ワンマン社長になりがちなのは、今まで辞めていった人の中には会社に対して建設的な意見を述べたり、時には社長をいさめるような言葉を発言する人たちを、気に入らないという理由で辞めさせた(辞めるように仕向けた)経緯があると考えられます。
これからの組織にとって重要なことは
組織の中に対話が生まれていますか?
もし、会議やミーティングで反対意見や質問が出ないで、淡々と議事が進むのであればそこに対話があるとは考えにくいです。対話ができないことが組織の硬直、企業で言えばイノベーションを阻むということにつながります。
しかし、対話をしようと促しても、これまで育ててき組織内の「緊張」が重くのしかかっています。「忌憚なくご意見を!」と言っても、そう簡単にものを言える雰囲気を作ることはできません。組織のメンバーは日々のリーダーの言動、行動をよく観察しています。それは怒っているとき、機嫌が悪そうなときには近づかないようにするためです。
アンガーマネジメントをやると普段の振る舞いが変わる
アンガーマネジメントができるようになると、普段の言葉遣いや人への対応が変わります。寛容で温厚な対応ができます。
プログラムを実施するなかで他者や仕事の問題に向いていた目が、自分自身に向くようになるからです。そしてそのまなざしがプログラムを通じて成長し、気が付いたら、ゆとりをもって仕事をしている、部下や社員を認められるようになっているのです。ここまでの変容をもたらすのには確かに時間はかかります。短くても半年、場合によっては2年くらいかかるかもしれません。しかし、組織が刷新しない、人がどんどん辞めていく、業績を上げたり、事業を拡大するということを考えると、今から始めていけば、2年後には今抱えている人事的な問題や組織の硬直が和らいでいるはずです。
ご興味のある方はまずはお問合せください。