二つの怒り
今日はなぜ怒りが簡単に収まらないか?を考えていきます.
怒りには大きく2種類あります。1つが表層の怒りです。もう一つが深層にある怒りです。多くの場合、表層の怒りに対してはケアすることができます。我慢したり、後で愚痴ったりすれば良いですが、深層の怒りに関してはなかなかケアがなされません。それぞれを詳しく見ていきましょう。
1 表層の怒り
これはルール違反や理不尽さに対するもので誰でも「そりゃ腹立つよね」とか「怒って当然だよ」と共感できるものです
貸したものが返ってこない。
大切にしていたものを壊された。
嘘をつかれた、だまされた・・・などなどです。
解決に向けての手続きが明確で、相手が謝る、弁償する、事実を話しあうなどすれば、解決することができます。
仮に解決がなされなくても、時間が経つにつれ忘れていきますし、「あれはもう仕方ないよね」とあきらめがつくものです。
表層の怒りでは腹がたって文句いい、時に声を荒げることもありますが、我を忘れるほどの怒りを感じるまでには至りません。そのような怒りは深層の怒りと関係があります。
2 深層の怒り
「根に持つ」という言葉のとおり、一見して大したことがないように思えていても、カッとなったり。表層の怒りのように解決の手続きを踏んでも収まらない怒りです。我を忘れるほど怒ってしまうのがこちらの怒り。
きっかけは些細なことでも切れてしまうのもこの怒りです。
深層の怒りは、抑圧された怒りです。
これは生育歴や人間関係の影響を受けており、表面的な解決では収まりません。
この「怒り」の解決について相談をしても、たいていの場合は表層の怒りの解決の手続きをとられるのでしっくりきません。一時的には効果はあっても根本的な解決になりません。
では、どうやったら深層の怒りを解決できるのか?
3 深層の怒りの解決
深層の怒りの解決に必要なことは、過去にさかのぼって怒りの根っことなっているできごと、怒りを向けている対象を見極めることです。
アンガーマネジメントのプログラムでも過去にさかのぼるセッションがあります。このセッションでは普段は気にも留めていなかった過去のできごとが自分にとって、とても辛く、さみしい経験だったことに気づきます。
そして、怒りの対象は多くの場合は実の両親であることがほとんどです。
自分を育ててくれた親に怒りを感じるなんてやってはいけないことだから抑圧がされています。
その抑圧を見出すことができれば深層の怒りは8割がた解決したも同然です。親への抑圧された怒りが見つかったからと言っても、今更親に物を申しても仕方がありません。見出したのちに取り組むのは、その出来事の意味付けを変えることです。
それさえできれば、怒りの根っこを植え替えて、これまでと違った感情を味わうことができるようになります。