仕事をしていて手の震えが止まらないという女性からのご相談。
その方は今の会社に勤めて多くのストレスを抱えてきました。
そのほとんどが人間関係です。
しかし、彼女はその人間関係の問題をクリアしてきました。
パワハラに対しても屈することなく戦ってきて、自分が働きやすい環境を整えたのです。
今の会社の人間関係にはほとんどストレスはありません。
それなのに手の震えがあるというのです。
よくよく話をうかがうと、最近業務量が増えたというのです。
これまで二人で担当していた仕事を、もう一人の人が産休に入ったため、一人でやらないといけなくなったのです。
仕事好きな彼女は実は張り切っていました。
というのも、もう一人の方の仕事がいい加減だったので、その方が休んでいる間に、しっかりとした形で遂行して、戻ってきたときには、漏れやミスがないような形にしてお返ししたいというのです。
ところが、これはうまくいきません。
二人分の仕事を一人で担うわけですから、勤務時間が超過するのです。
しかも、休みをとることが難しくなりました。
代わりの人が来るまでのわずかな時間とは思っていましたが、一週間もたたないうちに手の震えがでて、仕事をうまくやることができなくなりました。
上司からは
少し休んでいいと言われますが、休んだところで仕事が気になって家に居てもパソコンを開いてしまいます。
確かに休むことは効果的です。体を休める必要もあります。しかし、それ以上に大切なのは心を休めることです。
心を休める方法はいくつかあります。
気分が落ち込む、眠りが浅い、食欲がない、朝起きるのが億劫だという場合はうつ病の可能性があるので、医者にかかる必要もあります。
心の休め方として彼女に私が提案したのは手の震えとの対話です。
これは、ユージン・ジェンドリンが提唱したフォーカシングというものです。
身体が発するメッセージと対話することで、自分の心理状態を知る。
そしてそのことを理解するというのです。
彼女は手の震えから「もう限界だ~」というメッセージを受け取りました。
自分が限界を超えて働いていることにはうすうす気が付いていながらも、「まだやれる」「もっとがんばらないと」ともって努力し続けた結果、手の震えがはじまったのです。
思考も感情もうそをついたりごまかしたりできますが、身体はうそをつきません。
不調になれば動かなくなるのです。
身体からのメッセージをうけとったら「そうだよね」と共感する。
そこを押して頑張るともっと症状が悪くなります。
自分の今の状態を理解して分かってあげる。これが心を休める最善の方法です。