嫌いな人は嫌いになっていい

子育てがひと段落したという女性から相談を受けました。

彼女は旅行会社の予約センターで働いています。

電話やメールの応対が多いのですが、結婚する前は接客業で働いていたので自信がありました。

しかし、畑の違うそこでの仕事は半年たった今でも緊張するというのです。

その原因は人間関係にありました。

彼女の部署の上司が非常に厳しい人なのです。

間違ったことは言わないし、えこひいきをする人でもない。筋の通った人で、バリバリ仕事もできる。

彼女はその上司にあこがれを抱きつつも、嫌悪感も感じています。

相談の中で何度も出てくるのが

「上司は悪い人ではないんですが・・・」

という発言です。

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仕事を進める上で、上司のアドバイスや指摘は彼女に必要です。

彼女自身もまだ仕事に不慣れだから負い目があります。

しかし、彼女のストレスは仕事やコミュニケーションではありません。

その上司を嫌いたいのに嫌えないというところにあります。

お世話になった人、恩を感じる人、近しい存在を嫌うには勇気がいります。

彼女もその上司のおかげで仕事ができるようになっているので恩義は感じています。

ただ、言葉の荒さや口調の強さなどには辟易しているのです。

嫌いな人間を「嫌い」と言えずに何とか自分の中で美化しようとすると、無理が生じます。

下手をするとその相手に気に入られようという努力さえしてしまいますが、それは間違いです。

彼女のストレスが爆発して怒り狂う前に、

自分の中で「私は上司が嫌い」ということを認める必要があるのです。

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アンガーマネジメントというと怒りを抑えることに主眼が置かれがちです。

確かにそういう側面もあります。

ただ、それ以上に大事なのは自分の気持ちに素直になることです。

嫌いな人を嫌いと認めることも素直になる大切なプロセスであり、

アンガーマネジメントを身につける上で中核となる部分でもあります。

今日も最後までお読みくださりありがとうございました。