あるエンジニアの話です。
彼はある電子部品をつくる職人です。
その道ではエキスパートと言われています。
しかし、絶えず皮膚にはできものがあり、胃潰瘍を何度も再発して入院というパターンを繰り返しています。
まさに仕事中毒です。
働きづめで、食事は5分も書けずに済ませます。
休日も家で仕事をしてしまい、疲労がたまって倒れる。
本人もこの生活を何とかしたい、こんなに働からなくても良い
ということは分かっています。
しかし、このパターンから抜け出せません。
これは対症療法ではなおりません。
なぜなら彼の中に、「働きづめ」が自分の使命のごとく刻み込まれているからです。
彼は、地方の名家に生まれました。
幼いころに両親が離婚し、継母に育てられました。
継母は厳しく、7人兄弟の最年長の彼は、弟たちの世話をさせられました。
食事、洗濯、掃除、弟たちの入浴、宿題・・・
彼自身が「休む」ということを知らず、常に働いていたのです。
ちょっとでも手を抜くと継母に怒鳴られ、ときに折檻までされました。
今なら虐待案件です。
働いている自分は〇で、休んでいる自分は✖
二元的に自分をとらえています。
働いていない自分は生きてはいけない存在なので、
常に動き回っているのです。
では、どうしたらこういう状況を抜けられるか。
そのためには彼の中(無意識下)にある彼の信念を言語化する必要があります。
働き続けろ
働かない自分はダメな存在
働かざるもの食うべからず
何かは分かりませんが、彼自身の経験や過去を振り返りながら、
自分で自分に課したルールを言語化するのです。
交流分析の世界ではこれを禁止令と言います。
彼の場合禁止されているのは、休むこと、楽しむことです。
そういう言葉を見つけていくと、長年苦しんだ行動のパターンから抜け出していくことができるのです。
禁止令は強弱はたくさんありますが、誰にでもあります。
これを言語化していくプロセスは一朝一夕では難しいです。
しかし、この言葉を過去、特に幼少期をヒントに見つけることができれば、あなたの人生は変わります。
最後までお読みくださりありがとうございます。