怒りをもたらす他人と比べる視点
感情コントロールのための自己理解
いっぱいお金もらっても腹は立つ
感情コントロールの相談を受けている最中に出てきた話です。それは相続のことでした。遺産相続でその方は結構な額を手にしました。
しかし、他の兄弟の方がたくさんもらったと言って腹が立っています。ということでした。
この話を伺いながら、腹を立てるのはもっともだと思いつつ私の中にちょっと引っかかることがありました。
それは、比較の視点があることです。
たとえば、遺産相続で自分は1000万円を手にしました。
これでおわりなら何とも思いません。しかし、他の兄弟は3000万を手にしました。
となると腹が立ってしまいます。逆に、兄弟3人で100万ずつ同じ額もらったとなると
まあ妥当だなと納得します。
金額だけ見れば100万より1000万が良いですが、自分より多く受け取った人がいると不満になります。
ということはもらった額よりも、他人と比べて自分がどうなのか?
ということが重要になってくるわけです。
感情の主導権は誰のもの?
他人と比べる視点の良くないところ怒りを引き起こす以外にもう一つあります。
それは自分の感情を他人によって決めているということです。他人と比べて優れているか、劣っているかによって
自分の快不快が決まるのです。
本来感情はもっと主観的でよいはずです。しかし、他人と比べると、そこと比べてどうか?を常に考えてしまい、感情に対する自主性を失います。
この状況が続くと、心の調子を崩します。人より優れるために背伸びをし続けるからです。他人と比べている視点を外すには比べている自分に気づく、自己理解が大事です。このメタ認知は自分自身の心の健康状態をより良いものにしてくれます。
比較は主体性を失わせる
他人と比べてどうか?ということを常に気にしていると、主体性を失います。周りと比べないと自分のことを決められないからです。自己決定の機会が多ければ多いほど自尊心が育まれます。逆に自己決定をしなければ自尊心が失われます。
それは自己否定につながり、不安感をより強めてしまうのです。
ABOUT US
大久保智弘(ビジョナリーキャリアアカデミー代表)
1980年 長崎県長崎市生まれ、長崎市育ち
2007年3月 関西学院大学大学院社会学研究科修了 社会調査論を専攻
2007年4月 学校法人瀧川学園滝川第二中学高等学校に勤務
2013年4月 トータル・カウンセリング・スクールにセミナー講師として勤務、同年、山形県立置賜農業高等学校、小国高等学校のスクールカウンセラーを兼任
2018年10月 横浜市青葉区にビジョナリーキャリアアカデミーを開講